特殊車両通行許可では最大積載量は積めない?何トンまで?トラック積載量制限の実態

東京都武蔵村山市の特車申請屋さん(運営:紺野行政書士事務所)です。

先日、トレーラーの特殊車両通行許可申請で、車検証記載の最大積載量では許可がおりないことがわかり、その旨をお客様にお伝えして減トンした上で申請し許可がおりました。
実は、特殊車両通行許可では、フル積載できることももちろんありますが、車両の構造や申請経路によっては減トンすることは珍しくありません。

特殊車両通行許可に馴染みがない方は、トラックのうしろに書いてある最大積載量が積める認識で、不可解に思うかもしれません。
この記事では、特殊車両通行許可で車検証に記載の最大積載量が積めない理由について、専門の行政書士がわかりやすく解説します。
この記事を読むと、普段あまり気にしない最大積載量についての知識が深まります。

車検証記載の最大積載量と特殊車両通行許可の積載量の意味の違い

特殊車両通行許可ではなぜ車検証記載の最大積載量が積めないのか、それは、特殊車両通行許可はあくまでも荷物を積んだ状態の車両と経路の組み合わせで最大積載量が決まるためです。
言い換えれば、車両や申請経路によって積載可能な重量は変化するのです。

実は、特殊車両通行許可を得る場合に車検証記載の最大積載量が積めない場合があるということは、車検証にも書いてあることがありますので特殊車両を扱う方は確認してみてください。

1.車検証記載の最大積載量とは

その車両が積むことができる荷物の最大重量のことです。

4tトラックなどの特殊車両ではない車両は、この最大積載量を積んで法的に問題ありません。
ただし、貨物が特殊、構造が特殊、サイズや重さが一般制限値を超えるような特殊車両については、特殊車両通行許可を得る都合、定められた条件をクリアするべく、この最大積載量が積めないことがあるのです。

2.特殊車両通行許可における積載量とは

車両と経路(どの車両がどの経路を走るのか)という要素が絡んだ上で許可された積載量です。

車両と経路の組み合わせにより許可される数値がありますので、この数値を越えない最大の積載重量になります。
したがって、あくまで、通行許可証における車両が積める最大重量であり、同じ車両でも、許可証ごとにそのときに連結したシャーシや経路が違えば、積載量は変わります。

フル積載で特殊車両通行許可がおりない理由

大きく2つ理由があります。

  1. 車両(積載重量、車両構造等)
  2. 経路(走りたい道路)

1.車両が原因

特殊車両通行許可においては、荷物を積載した状態で軸重(1本の車軸にかかる重さ)が10tを超えてはいけない決まりがあります。
仮に、フル積載で軸重が10tを超えた状態で申請しても受理されません。

したがって、特殊車両通行許可を得るためには、積載重量を減トンして申請することになります。

軸重の重い軽いを決める要因としては、上記の積載重量のほかに、
軸間距離(軸と軸の距離が長い方がひとつの軸にかかる重量は軽くなる)や軸数(軸が増えるだけひとつの軸にかかる重さは軽くなる)等の、
トラクタ、トレーラの組み合わせ、構造や寸法等の要因でも変化します。

2.経路が原因

通行経路によっては許可される重量に限度があります。
その場合、許可が出る重量まで減トンすることとなります。

例えば、本州と北九州市を結ぶ関門橋は許可限度重量が35tですので、
仮に、最大積載量が25tのセミトレーラをフル積載で車両総重量が43tになる場合でしたら、
申請する積載量は25t→17tに減トンすることで車両総重量を35t以下に収めて、申請することになります。

フル積載でもイケる!でも減トンするときもある

フル積載でも問題なく申請できるのに、なぜあえて減トンして申請するときがあります。
それは、許可されたときに付される通行条件を緩和させたいときです。

特殊車両通行許可とは、簡単に言ってしまうと、
「特殊車両は原則通行禁止。けど申請があって審査した結果、通行に問題なければ条件付きで許可するよ」という趣旨です。

したがって、許可を得れば、無条件に走れるわけではなく、条件※1が付されることがほとんどです。
※1 夜間のみの通行や誘導車配置など

例えば、トレーラのような連結車両はA条件(特別な条件なし)で許可されることはまずありません。
空車であってもほぼ交差点障害でC条件(誘導車配置等)が付きます。

ただ、減トンすることで、重量による条件を緩和させられる場合があるのです。

通行する経路には様々な道路や橋梁があります。
例えば、フル積載ゆえに重量が重く、許可されたときにD条件(通行は21時から6時まで等(夜間条件))が付されるときは、
「フル積載重量→条件が回避できる重量」へ減トンすることで、この条件は外れますから日中でも運行できるようになります。

弊所の実際のケースで言いますと、こういった場合には、お客様に減トンするかどうかをご相談して、決めてから申請しています。

夜間条件を回避するために減トンするかは悩ましい


お客様にとっては非常に悩ましいところではあると思います。

フル積載で夜間条件が付く場合、夜しか走れませんがめいいっぱい荷物を積めますから輸送効率としては優れています。
ただ、夜しか走れませんから、ドライバーや荷降ろし先やいろいろと考慮することが増えて、使い勝手のよくないトラックとなる可能性もあります。

他方で、夜間条件を外すため減トンした場合、時間帯の制限はありませんから朝でも夜でも関係なく走れます。
ただ、ひとまず一度に積める荷物は減ってしまいますから、輸送効率は劣ります。
一回きりで済むような積荷ならよいですが、往復して運ぶ場合、往復する回数を増やさなければなりませんから、ドライバーの稼働時間は増えるし燃料も余計にかかります。

この点はお客様とやり取りしていると、判断は様々で、即答で減トンする方を選ばれる会社様もあれば、数日社内で検討した上で減トンせず夜間条件つきを選ばれる会社様もおられます。
これは一概にどちらが優れているというものではありませんから、そのときの状況で選ぶしかないのかなと思います。

最大積載量は積めない理由 まとめ

特殊車両通行許可は、車両に荷物を積載した状態で、申請した経路が通行できるかどうかを審査され、許可されるものです。
車検証に記載の最大積載量と、道路を走るときの(許可された)最大積載量はまた別の話なのです。

仮に、車検証に最大積載量が23tと書いてあっても、特殊車両通行許可を得ようとした場合の積載量は20tになることだってあります。

普通に考えて、車検証に書いてある最大積載量が積めないのおかしくない?って疑問はあると思いますが、
これまでにお伝えしたような、特殊車両通行許可の趣旨や積載量の意味の違いを理解していただければ、多少は解消されるのではないかと思います。

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