ナンバーがなくても特殊車両通行許可申請する方法とは?車検前は?トラックや建機の公道自走に必須

ナンバーがなくても特殊車両通行許可申請する方法とは?車検前は?トラックや建機の公道自走に必須

東京都武蔵村山市の特車申請屋さん(運営:紺野行政書士事務所)です。

原則、特殊車両通行許可申請する場合に車検証情報(ナンバー)が必要です。
車検登録した車両は行政庁でデータベースとして管理しており、オンライン申請で車検切れの車両を申請しようとするとエラーが出ます。

しかし、特殊車両通行許可はナンバーがある車両にのみ与えられるわけではなく、ナンバーがなくても特殊車両通行許可を得る仕組みがあります。
結論、申請したい車両の諸元表を申請の際に添付することでナンバーがなくても特殊車両通行許可申請は可能です。

この記事では、ナンバーがない車両でも特殊車両通行許可申請する方法やナンバーがない特殊車両が公道を走る方法を専門の行政書士がわかりやすく解説します。
車検前でまだナンバーがないけど特車許可が必要、構内専用車(林業に使う大型建機、空港内作業車など)で今後もナンバーを取る予定はないが臨時の陸送の際に特車許可が必要、といった方は参考にしてください。

特殊車両とは

特殊車両とは、一般の道路を通行するために特別な許可が必要な大型や重量の車両を指します。

特殊車両を通行させるときは、道路管理者の許可を受けるように、道路法で定められており、この許可のことを特殊車両通行許可といいます。
特殊車両は原則、道路を走ることは禁止されているため、それを例外的に解除するための許可となります。

この申請には、多くの書類や手続きが必要ですが、企業が特殊車両を安全かつ法的に運行するためには、この許可は欠かせません。


特殊車両通行許可について詳しい解説はこちら▼
全体像がわかる!特殊車両通行許可の申請から許可までの流れをわかりやすく解説

ナンバーがなくても特車申請できるメリット

公道を走らないためナンバーが不要だけど臨時で公道を走行するために特殊車両通行許可が必要といった場合や、新車で今後ナンバーを取る予定といった場合の申請から許可までの期間短縮が挙げられるでしょう。

余談ですが、以前はナンバー付与されてから特車申請し、1~2ヶ月の審査期間を経て許可がおりていました。
つまり、ナンバー付与されるまでの間は時間をロスしていたのですが、現在は車検登録前の申請が認められていますので、車検登録を待つ時間が短縮されました。

新車は納車まで数年待ちだったりしますし、やっと納車されてもすぐに走らせられないとなると宝の持ち腐れですから、これは大きなメリットです。

申請方法

通常の申請に加えて、諸元表を申請先道路管理者へ送付します。

手順としては、
申請する前に、申請先の道路管理者へ電話相談の上、申請して、諸元表をFAXなどで送付します。

ちなみに、経験上は事前相談はせず、申請直後に、ナンバーがないため諸元表を送付する旨を申請と紐づく到達番号と合わせて送付状に添えて諸元表をFAXしています。

※諸元表とは
車両のスペックがわかる資料のことで、具体的には、車両メーカーのカタログや実測結果資料、保安基準緩和認定の写しなどが挙げられます。
手元になくてもほとんどの場合、車両を購入した代理店やメーカーで取寄せが可能です。

ナンバーがない特殊車両が公道を走る方法

上記では、ナンバーがなくても特殊車両通行許可申請する方法を述べましたが、現実問題、公道を走る場合にはこれだけでは足りません。
公道を走るためには必ずナンバーが必要ですので仮ナンバーを取得します。

手順
1.仮ナンバーを取得する
2.特殊車両通行許可申請する

特殊車両通行許可を得る目的から言えば、仮ナンバー取得は必須ではありませんが、公道を走るなら必要ですので、あえて順番を付けるなら先に仮ナンバー取得でよいでしょう。
なぜなら、道路管理者より仮ナンバーの写しの提出を求められることがあること、特車申請の際に車両のナンバーとして仮ナンバーを記載できるためです。

道路法を根拠に、特殊車両が公道を走るためには、特殊車両通行許可が必要ですが、
加えて、道路運送車両法を根拠に、特殊車両に拘らず車両が公道を走るためにはナンバーが必要です。

ナンバーがない特殊車両は仮ナンバー&特殊車両通行許可を取得することで法令上の問題をクリアしつつ合法に公道を走行できます。

仮ナンバーとは

クルマやバイクなどの車両に対して、一時的に与えられる仮のナンバーのことを指します。

車両で公道を走行するためには自動車の登録・検査を受けていることが必要ですが、車検切れの車両や登録されていない車両を継続検査・新規登録・新規検査するため運輸支局へ運行するなど道路運送車両法に定められた目的に限って車両の一時的な運行許可を与える制度が仮ナンバー制度です。

1台につき1回限りで最大5日間しか使えない文字通りの臨時のナンバーです。

仮ナンバー取得方法

申請先窓口は出発地や目的地を管轄する市町村役場になります。
必要書類は各市町村役場のHPで確認できますが、

一般的には以下の通りです。
・自動車検査証・登録識別情報等通知書・抹消登録証明書、自動車予備検査証など車台番号・車名・車台形状が確認できる書類(写し可)
・臨時運行期間有効の自動車損害賠償責任保険証明書の原本
・本人確認書類(運転免許証等)
・保安基準緩和認定及び特殊車両通行許可を受けている車両については、運輸局長が交付する『保安基準緩和の認定書』と道路管理者が交付する『特殊車両通行認定書』 (いずれも原本)
・手数料 1車両につき 750円

    仮ナンバー取得には理由が必要

    申請すればどのような理由でも許可されるわけではなく、仮ナンバーを与えられるべき理由が必要になります。
    下記に当てはまらないケースは申請先となる市町村役場に電話して確認してください。

    許可される理由
    ・新規登録、新規検査、車検切れのための継続検査
    ・自動車の販売を業とする者が、車両の販売や引渡しなどをするため
    ・自動車登録番号標の番号変更など

    以下のような内容での申請は許可されませんのでご注意ください。

    ・自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)が切れている。
    ・出発地・経由地・目的地がはっきりしない。
    ・荷物を輸送したり、車を移動させるだけの目的(展示場への回送や私用で乗りたいなど)
    ・販売のための試乗

    仮ナンバーに関する注意点と罰則

    仮ナンバーは臨時で許可されるものですので、許可有効期間は最長5日間で、運行の目的を達成できる必要最小日数になります(自賠責保険の期間内に限る)。
    また、仮ナンバーはダッシュボードへの仮置きはNGで、前後のナンバープレート取付け位置に固定することが義務付けられています。

    ちなみに、有効期間が満了した日から5日以内にナンバープレートと許可証を併せて返却する必要がありますが、期限内に返却しないときや仮ナンバー許可証を備え付けないで車両を運行した場合は道路運送車両法により、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が規定されています。
    また、仮ナンバーを許可された車両以外に使用したときや、詐欺など不正な手段で仮ナンバー許可を受けたときは道路運送車両法により、1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金、または両方の罰則が科せられる可能性があります。

    記事全体のまとめ

    この記事では、ナンバーがなくても特殊車両通行許可申請する方法やナンバーがない特殊車両が公道を走る方法を解説しました。

    結論は

    ・ナンバーがなくても特殊車両通行許可申請する方法
    申請先の道路管理者へ事前相談の上、通常の申請に加えて、諸元表を提出する。

    ・ナンバーがない特殊車両が公道を走る方法
    仮ナンバー&特殊車両通行許可を取得する。

    事業者様にとって許可関連でのお悩みがあった際には、少しでも自社に有利で効率的な方法を選択したいはずです。
    しかし、そのためにはこの記事でも述べたように、制度と法令に関する最新の知識が不可欠です。

    車両関係であれば、道路法、車両制限令、道路交通法などの法令知識が必要な上、実務処理や役所対応のノウハウも求められます。
    さらに、法令や制度は常に変わるため、その都度対応が必要です。

    行政書士に許可関連を任せることで、許可の取得後も専門的な視点から相談に乗ることができます。
    車両関係の許可に関することでお困りの方は、専門家である行政書士にご相談ください。

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